学校部活のクラブ化

 青森FCは、創立以来練習時間はできるだけ、小中学生の生活時間を考え、あまり遅くない時間(幼稚園は4時、小学生は4時30分か5時、中学生は6時スタートを基本)に設定している。それは、クラブのモットーである『文武両道』を貫くためである。近年は両親共働きのご家庭も多いので、なかなか5時のスタートに間に合わない子もいるが、帰宅後の生活を考えると、これ以上遅いスタートでは、夕食、勉強、睡眠の生活サイクルが深夜型になってしまうからだ。文武両立を貫くには、毎日学習する習慣を身に着ける必要がある。どんなに疲れててもだ。人間は弱いもので、つらいことから逃げたいもの。特に小学生の低学年から自宅学習の習慣づけが大切である。『勉強が楽しい』と思う経験をしてほしいと思う。ずいぶん昔は、練習の後に幼稚園の教室を借りて、小学生や中学生に勉強を教えた時期がある。   小学5年生で習う『円周率』や小学6年で習う『円の面積』も公式からではなく、ある時リンゴを輪切りにして教えたことがある。その時のことを大学を卒業してあった教え子に言われたことがある。『あれで勉強が面白くなりました』と。その子は、それから猛勉強してサッカーの名門『藤枝東』へ進学した子もいる。また、『英語は赤ちゃん言葉』と言って、『僕(I)がね。走ったの(run)。パパとね(with my father)。』などのように教えたら、すぐにスラスラと言えるようになった子もいた。でも、面白くなかったら、サッカーだって、勉強だって誰もやらない。あんまりサッカーを遅くまでやると、疲れて寝てしまうことは当然だ。                             だから、青森FCは、創立以来、練習時間を夕方7時から9時に設定はしない。9時まで練習したら、帰るともう10時ということもあるからだ。                                           最近は小学校の部活がクラブ化し、中学校も今後クラブ化するという。しかし、クラブ化すると、会社勤めの人が指導するとなるとどうしても勤務後になると、指導する時間もおのずと遅くなってしまうだろう。そうなると、子どもたちの勉強時間の確保はできるのだろうか?