チビリンピックを振り返って

激闘の東北大会を制してからおよそ2か月。緊張と期待を胸に久しぶりに参加した全国大会を振り返りたいと思います。
結果は予選3敗。無得点となり、悔しさばかりが残る大会となりました。まったくもって歯が立たなかったのか?答えはノーだと思います。特に初戦はどちらが先に点を取るかによって試合展開が大きく変わりそうでした。おそらく先に先制点を決めていたとしたら、違った大会となっていたような気もします。
 ただ冷静に分析すると他チームとの足りないところは多くあることに気づけました。空中戦の競り合い、ボールに対しての競争心、そしてボールに対する身体の使い方。どこのチームも奪い際、ボール保持の際の身体や当たりが違います。ピッチで転ぶ姿、よろける姿が多いのはあきらかでした。
これらの要素は実際に対戦していきながら自然と気づくポイントかなと思います。日頃のプレッシャーや当たりの強さが習慣となっているかどうか。ベスト4に関東3つ、関西1つ。日常の対戦相手でしのぎを削っているのが想像できます。ボールを触る技術も重要ですが、ボールを軸に身体を動かす力も自然と身につけたいと思いました。優勝した埼玉レジスタFCはその筆頭であると間違いなく言えると思います。関東のチームの日常が見えてくるようでした。
 県内、東北だと突破出来ていたのが上手くいかない。1対1に自信を持っていたアタッカー陣は力を発揮出来ず大会を終えました。前線の選手はテクニックとスピードを持ち合わせ、シュート力もある。が、全国のDFはどの選手もたくましく、またチームとして整備されている守備を敷いてきました。一人抜いてもその次の選手がすぐさまブロック。悔しさが残る前線の選手たち。悔しさを晴らすために最終日に交流戦へ参加しました。関西勢、関東のJクラブ、街クラブが参戦する交流戦。交流戦が全国大会かと思うほどの参加チームでした。天候も暑いが試合も熱い。が、大会を終えた悔しさからかプレッシャーからの解放か。選手はみんな動きがいいのが不思議です。ただやはり相手も強く、攻撃面ではうまくいかないシーンも多々ありました。そこで試しに大胆にCBの子をFWへコンバート。すると面白いほど相手を崩すシーンが増えました。その選手は普段DF。守備の要です。周囲に気を利かせ、相手を観察し、プレーする。この気が利くプレーがFWで活かされました。もう一人のFW、MFとのタイミングのいいパス。受け手が嬉しくなるようなタイミングでのワンタッチパスをしてくれることにより、面白いほど前線でボールが回りだしました。相手も目でボールを追うようになり、見事なワンツーで突破したりと攻撃に良いテンポがどんどん溢れ出てきます。味方と思わせて自分で突破も。この新しい発見にヒントを感じました。
一人で突破ができていたのに全国のDFは一人一人が強い。そこで仲間とのコンビ、グループで突破する。素晴らしい歌声をもつソロの歌手がたくさんいるのに、みんながそれぞれ歌って曲にならない。そこにリズムをとれる伴奏、調和のとれる指揮者が一人いると素晴らしいハーモニーになるんですね。それぞれが持ち味を発揮するタイミングを指揮してくれることにより、持ち前の素晴らしい歌声を披露する。すると自然とチーム全員が大合唱、観客もスタンディングオベーションへ。これが理想です。個の強みももちろん正解でそこありきの話だと思いますが、サッカーにおいて点を取るためにどうするか。そこからの逆算で考える、相手を見て、考える。壁にぶちあたった瞬間どう乗り越え点を取るか。
今回の大会ルール総入れ替えやいろいろなポジションにチャレンジすることによって新しい答えも見えました。サッカーに間違いはなく、日々追及を重ねる。この経験は青森を飛び出て気づけたこと。コロナ禍で県外勢との対外試合は極端に減りました。失いかけていた経験を積む場を今回の全国大会で久しぶりに感じ取ることが出来ました。
地域、県民性が出るサッカーもあります。関西はゆったり持ち味を発揮したり、イケイケドリブルだったり。オラオラ全開の気質を持ち合わせる地域も。東北、青森はどうなんでしょう。真面目にコツコツ我慢強くといったところでしょうか。負けていても折れずに杭を打ち続けれる忍耐力がある気もします。が、大会を勝ち上がるのにはやはりそれだけでは飲まれてしまう。どこかで爆発させなきゃいけません。ノリノリにならなければなりません。
今回全国各地のチームを見ていいいところを盗み、素晴らしい経験を東北、青森へ還元したいと思っています。悔しさが残るが、自然と気持ちは前を向いています。