AOFA第57回青森県U-12サッカー大会 2年ぶり5回目の優勝

2年ぶり5回目の優勝で終わった青森県U-12サッカー大会。今回の監督の一言はチームを率いた伊藤豪監督に総括をしてもらいました。

 県大会総括  伊藤豪

 激戦が続いた県大会トーナメント戦。なかなか上手くいかない試合や、ヒヤリとするシーンがたくさんある試合が多く続きました。話は少し昔に戻り、3月へ。3月に行われた東北大会では自信と期待を持って挑んだ大会でしたが、いとも簡単に敗退。内容も悪く、雰囲気も悪く、今までの指導してきた過去にもなかなか無い悔しさが今も記憶に残っています。どのようなチーム状況かと言うと、まずはバラバラ。目も合わない、声も合わない、出し合わない。プレーにも仲間のミスや抜かれたシーンでそのまま失点に直結。助けが来ない。パスなんて2本も繋げないですぐ取られていました。何回入れられて、何回逆転負けをし、無得点はどれくらいあったでしょうか。自信喪失、元気も覇気もゼロでした。
 転機は4月に入り、県リーグ戦1試合目。まずは仲間と仲間の距離を縮めること。全員で攻撃し全員で守備できるようにするためです。そして味方のミスをカバーできる準備をすること。知らんぷりはせず、勇気をもって助けに行くこと。ボールを奪うときに気持ちも足に乗せること。生まれ変わったかのような雰囲気になり見事にチームも明るくなりました。
 今回の県大会にもまずは選手に再確認。チームのどん底は3月、変わったきっかけは4月。あの時はどうだったか、そしてどこを変えて変わるきっかけになったかと再確認してから試合に挑みました。しかし、今大会の相手は強豪ばかりですべてのチームに素晴らしいエースがいました。3月に対戦していたら何点も入れられたでしょう。それでも今は仲間のために走る選手が増えて、仲間が抜かれるとものすごいスピードで駆け付けます。仲間の奪ったボールをしっかり大事につないでくれたり、強い気持ちでシュートまで持って行ってくれました。声も徐々に出せるようになり、あんなにバラバラだったみんなの矢印が同じ方向に向かっている瞬間がたくさんありました。あんなに簡単に失点していたチームでしたが、ピンチの際に何人も身体を張ってくれました。大きな変化と成長です。本当は内容はもっとボールを大事にして、相手を見ながらサッカーしなければならないと感じています。丁寧にボールを扱い、丁寧に落ち着いて、そして面白いプレーや綺麗なシーンも無ければと思っています。ただ、そんなことまで頭が回らないくらいチームの土台を作り直しに必死でした。土台のベースが崩れないようにしっかり強固な柱と柱で組み立てです。さぁ土台はできた。ここからどんなチームになるんでしょうか。まずは一日一日の練習に達成感を持たせられるような練習をし、ワクワクしたチャレンジ精神が増すような日常を心がけたい。新しい柱がどんどん出てくるようなチームになってほしい。